Residence | 25.12
敷地は、新旧の住宅が立ち並ぶ小路の途中に位置します。もともとは古家が敷地ぎりぎりまで建っており、さらに三方を住宅に囲まれていたことから、「暗い家にならないか」とのご不安をお聞きしていました。
そこで今回の計画では、敷地条件からプランを考え、LDKの南側に中庭を設けることで、住宅に囲まれた環境でも光と風が十分に届く空間をご提案しました。対面キッチンとI型のLDKのご要望があったため、天井高に変化をつけることで、広がりを感じながらも単調にならない空間構成としています。
外観は、切妻屋根と下屋を組み合わせ、重心を低く見せながら横に広がる印象に。小路を進むと、軒先から棟に向かって屋根を張り出す構成とし、奥行きを感じられるデザインとしました。アプローチは木製の外壁材を採用し、玄関ポーチ脇の外部収納は木製の造作扉で統一。ご主人の趣味であるアウトドア用品をゆったりと収納できるスペースとしています。
敷地条件から自然に導き出されたプランと素材の工夫によって、光や風、質感が穏やかに響き合う、落ち着いた時間を過ごせる住まいとなりました。