Residence | 13.02
コンセプト:住み継ぐ家 30年近くを過ごした地で、住み慣れた住まいの建替え計画。 ここでのデザインは、昔の住まいの面影を感じつつも、日々の暮らしにおいて新た な発見があるよう心掛けた。 前面道路と敷地に高低差があるため、既存の土留めなどを残すことが条件として考 えられた。しかしこの設計上の制約は、同時に懐かしい住まいの生活を、新居でト レースすることに大いに役立った。玄関までのアプローチや庭の木々、駐車場の位 置など、昔の住まいの名残はそこここに感じられる。 新居の内部では、庭を囲むようにLDKがL字型に配され、大きく成長した既存樹 木を眺めながらゆっくりとした時間を堪能できる。 さらに、1階にはシューズクロークや食品庫、その他に3帖の納戸も設置し、大容 量の収納が快適な生活をバックアップする。 この住まいは、クライアントのパーソナリティーを鑑み、いい意味での<普通>を いかにデザインするか心掛けた。その端正なファサードは、まるで昔から趣を変え ていないかのように周囲の家々に馴染んでいる。