平島の遊歩道と家

切妻の大屋根を架けたおおらかな外観。
遊歩道の見える角地に位置し、近くに幹線道路や大型ショッピングセンターのある住宅街での計画である。
北側道路は往来が多く、西側には廃路線を利用した遊歩道がある。この立地を活かすため2階を開放感と共に家族が集まる空間とした。切妻屋根を生かした天井高4ｍのＬＤＫには南面のハイサイド窓から自然光が差し込む。壁一面の本棚は１階から階段の吹抜けを通して２階のＬＤＫへとつながり、光と本棚の印象的な空間を演出している。遊歩道側に長さ8ｍのデッキテラス、インナーガレージを設け、周辺環境とのバッファーゾーンとすることで遊歩道の利用者からの距離を保たせた。デッキテラスからは遊歩道の桜並木を眺めることができ、そこにかかる屋根の軒先は、シンプルな室内環境とは対照的に、力強い構造材に包まれている。遊歩道に向かって水平方向に開口を取ることによって、周囲への視線の広がりを感じさせてくれる。