路地に溶け込む多世帯住宅
船戸山の家
昔ながらの路地に建つ多世帯住宅の建て替え計画です。狭い道路に対して圧迫感のないよう、建物の高さやボリュームを抑え、軒を出すことで地面との距離感を近く感じられる設計としました。
建物は、幅員の狭い路地に面した敷地に建っています。建物の基礎は低く設定し、地面との距離感をなるべく近くすることで、周囲の街並みに溶け込むよう配慮しました。軒を出すことで建物のボリュームをやわらげ、通りから見たときの圧迫感を軽減しています。外観は、1階に住宅の主要機能をまとめ、2階は子世帯の寝室のみを配置。そのため、平屋の上に小さな家型のヴォリュームが載った印象となり、屋根の勾配や2階のボリューム感は微調整を重ねて整えました。
内部はレベル差のないタイル敷きの玄関ホワイエから、ダイニング、リビングへとつながる、一間のような伸びやかなプランです。 天井高さを変えることで空間に抑揚を与え、落ち着きと開放感を両立させています。 打合せの中で決まったテーマカラー「青」をポイントで使用。 外観の落ち着いた印象とは対照的に、内部には遊び心と鮮やかさを添え、家族が過ごす時間を楽しく彩ります。
路地に溶け込む低めの建物、平屋に小さな家型の2階を重ねた外観。 内部は天井高の変化とテーマカラー「青」によって抑揚と遊び心を持たせた、一間のように連続する空間。 外との距離感を丁寧に設計し、家族の暮らしに落ち着きと軽やかさをもたらす住まいです。
