大窓の家

境界いっぱいまで隣家が建ち並ぶ鰻の寝床のような敷地である。
さらに準防火地域のため、窓のとりかたに考慮した。 敷地の特性上、隣地側に窓を設けても、採光や通風は期待できない。
そこで隣地側に開口を設けず、南面1か所に集約し大開口を取った。
延焼エリアを逃れるように壁を建物両脇から延長することで 周囲からも覗かれないようになっている。
同時に風が抜けるよう北面にも開口を設けたが、外部からはルーバーにより プライバシーはしっかり守られている。
周りよりも少し高いところに敷地があるため、 大開口から望む眺望は街中とは思えないほど 南面へ目線が抜ける大パノラマと遠景が望める。

建主はご夫婦お二人。
ご夫婦の繋がりを大切にするために建物は一繋がりの空間にしＬＤＫを中心に家の中どこにでも目を配れ、 夫婦の存在をいつでも感じられるような佇まいとなっている。 空間を一繋がりにすることにより、
大開口から取込む光や風が建物内の隅々まで行き渡り 風向きや日差しで季節も感じられるような建物となっている。